2013年5月13日月曜日

診断学は想像学〜医者がかっこいいことを言った、ずるいと思った〜

医学総論。
今の医療の現場の実情を、えらいお医者さんの話を聴いて「へー」って思うっていう授業です。

言語聴覚士の卵ズ(右も左もわからない入学二ヶ月)に、何か硬いものが入った
封筒が配布されました。
封筒の中身はそれぞれ違うようです。

講師のお医者さんは言いました。
「封筒の中身を当てて下さい。
封を切る以外だったら何をしてもいいから。」

ワトソンと化した私たちは、必死で封筒を透かしたりワシワシ触ったりして必死に中身が何だか想像します。

私がもらった封筒の中には、何やら手のひらサイズの丸っこい物体に、しっぽみたいな長い線が付いているものが入っています。
何やこれ。

数分後、先生は言いました。

「中身は分かりましたか?自信がある人からどうぞ。」

1人の生徒が手をあげます。

「私の封筒の中身は修正テープです!」

「はい、では開けてください。」

中身は、

修正テープそっくりのテープのりでした。

分かるか!

先生「今はこんな便利なものもあるんですよー、知らなかったでしょー。はい、次。」

「はい、私の中身は、パナソニック製のテープレコーダーです。」

なんと正解でした。すげえ。

「すごいですねー!透かしてパナソニックまで見えましたかー!んでテープレコーダーまで分かるとか!大体みんな携帯電話って言うんですけどねー、ちっ。」(ちっ、はイメージです。)

何人かを当てて、みんな当たったりはずれたり。

中には中身が小銭で、それを封筒の上から鉛筆で擦って数字を浮き出させて「226円也」と当てて見せた猛者もいました。すげえ。

そこで先生が言います。


「はい、今みんなにやったもらったのが

医学でいう『診断学』です。」

おー。

「身体の中は見えませんね?
だから、患者さんが来たら、みなさんが今やったようにして中身を当てるのです。

封筒の上から中身を見るのは視診
触るのは触診
振ったりして音を聞いたのは聴診
透かして中身を見ようとしたのはレントゲンやMRIといった補助診断。」

なんか、かっこいいぞ、医者。

「そして、そうして診断を進めて行っても、知識の乏しさや思い込みがあると誤診を招きます。
さっきのテープ型ノリを修正テープと間違ったのがそうですね。
知識が無くて、一般的な似通った病気と誤診してしまいました。」

ひゅーひゅー。

という、おもしろい授業でした。

ちなみに私は封筒の中身を

「ねずみ花火です。」

と答えましたが、正解は

「ペースメーカー(旧型)」でした。

クラスで一番ひどい誤診でした。





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