心理学だけで今三つの授業を受けています。
発達心理学、臨床心理学、学習認知心理学。
その中の学習認知心理学の授業で先生が「あ、これ余談なんでー」と仰っていた話が面白かったです。
〜パブロフの犬の悲劇〜
パブロフ。かの有名なベルと餌と犬と唾液で条件反射を証明した例の人。
あの実験、続きがあるんです。
まず正円形(丸)を犬に見せ、餌を与えます。
これを繰り返すと、犬は正円形を見ると餌を貰えると思い、唾液を分泌するようになります(条件反射)。
次に楕円形を犬に見せます、この時は餌を与えません。
これも繰り返すと犬は楕円形を見ても唾液を分泌しなくなります。
つまり、条件反射+犬は正円形と楕円形を区別が出来る、ってことが証明されました。
ここまではまあいいやん。
でもこの次からはやり過ぎやと思うねん、イジメに近いねん。
その後、パブロフの中の悪魔が顔を出してしまうのです。
「こいつ、楕円と円、どこまで違い分かんねやろ。」
なんて思い付いちゃったんです。
イタズラ心に火が付いたっつーか。え?探究心っていうんですか?
そいで何をしたかっていうと、パブロフは楕円形(餌をあげない)を少しずつ正円形(餌をあげる)の形に、毎度毎度ちょっとずーつ近づけて見せていったのです。
区別できるうちは犬もやたら見せられる丸いもんをまあまあ機嫌良く見てたそうです、楕円では唾液を分泌しません。
だけど、だんだん見せられる楕円形と正円形に違いがなくなってくると、ソワソワしてくるんです。
「どっちやねーん?!!」つって。
多分うちもなる、生理前くらいイライラする。
きっと「何やおいワレおちょくっとんのかしばくどコラ」くらい内心思っちゃうんじゃないかなあ。
楕円形が縦9:横8くらいの『コレほぼ丸やん』って形になった時、犬はとうとう唾液を出しちゃうんです。
んでここぞとばかりにパブロフが「間違ってんでー!ホレホレ、こっちが餌あげる方の丸。んでこっちの丸は餌あげない方だよーん。」とか言いながらかは知らんけども、正円形と『ほぼ丸』の楕円を交互に見せると。
アドレナリンでまくり、脈拍あがりまくりの大興奮で狂ったように暴れ出し、犬は倒れちゃったそうです。
ひどい。
これが『ノイローゼ』が初めて証明された実験です。
また、
「同時に、異なるふたつのメッセージを与えられると、ノイローゼになる」という現象は、乳児には特に影響があって、育児の際にはすごく気をつけなきゃいけないことみたいです。
「アンビヴァレント型」と言われる、気まぐれで行動性に一貫性がない(同じことしても怒ったり許したりする)お母さんに育てられた赤ちゃんは、情緒不安定な子になりやすいとか。
(これは小児科学で習います。)
うーん。
喜怒哀楽を本能のままに発散して生きている身として、子育てが出来る自信がなくなってきました。

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